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家づくりの疑問に答えます!柱の太さで家の耐震強度は変わるの!?

地震大国といわれる日本の家づくりで一番気になるのは「耐震強度」ですよね。 大切な家族と末永く安全安心に暮らすにはとても重要なことです。 「柱が太ければしっかりしているから大丈夫なのではないか」など、漠然と考えはするけれど実際に柱の太さについてしっかり考えたことがないという方も多いのではないでしょうか。 今回は、柱の太さの種類、耐震に向いている柱の太さ、柱の組み方、工法などをご紹介していきます。

柱の太さって色々あるの??

まずは、柱には、どのような太さがあるのでしょうか。 色々な太さの柱があるのですが、住宅で使用する柱は、一般的に12センチ(4寸)と10.5センチ(3.5寸)という太さが使われることが多いです。

他にも、13.5センチや15センチ、18センチなど大黒柱のような太い材もありますが一般的にはあまり使われません。

4寸と3.5寸で耐震に対して、どちらが有利なの?

では、一般的に使われる4寸と3.5寸の柱ですが、太さの差は1.5センチです。 皆さんは、この差を大きいと感じますか、それとも小さい? この1.5センチの差で耐震強度は変わるのでしょうか。

結論からいうと、耐震強度という観点から見ると実はどちらも変わらないのです。 一番大切なのは「構造計算をきちんと行われているかどうか」です。 正確に構造計算がなされているハウスメーカーや工務店などの建築業者の場合、4寸でも3.5寸でも耐震強度は変わらないのです。

例えば耐震等級3を取得したいなら、そうなるように計算して使うので、材料が3.5寸であれ4寸であれ、計算上問題は出てこないということです。

4寸も3.5寸もメリット、デメリットがあるんです

構造計算がきちんと行われていれば、耐震強度にはどちらの柱を使用しても問題がない。

では、なぜ、4寸の柱と3.5寸の柱が良く使用されるのでしょうか。 それぞれのメリットをご紹介していきましょう。

3.5寸の柱のメリットは、ずばり経済的。

木材は立米単価で金額がほぼ決まります。

3.5寸柱と4寸柱では、断面積が違うため金額に違いが出ます。 となると3.5寸の柱で家づくりをするなら、コスト面ではとても低くなるというメリットがあります。 耐震強度は4寸でも3.5寸でも変わらないのであれば、3.5寸を選んでコストダウンするのも間違いはないでしょう。 また、部屋の広さや、開口部分の寸法が広がります。 廊下など、どうしても狭くなりがちな部分が少しでも広くなるのもうれしいですね。

では4寸の柱のメリット、それは「自由度」

先程から耐震性能のお話をしていますが、4寸の柱は「断熱性能」に余裕を持たせることができます。

3.5寸と4寸の差はわずか1.5センチですが、断熱性能という観点から見るとこれは大きな差になります。

3.5寸の柱を選んだ場合、1.5センチ分の断熱性能が足りないために高性能の断熱材にしなければならなくなると余分な出費になってしまいかねません。 木材ではコストダウンしてもその他で高額な出費になってしまっては元も子もないですね。

また電気の配線や配管を通せなければ、夢のマイホームの計画も実現できなくなります。 特に電気配線は「あと1cmあればなー」なんていう場面も少なくありません。

そしてもう一つ、壁にくぼみを作り、棚や家具を作る際、深く作ることができます。 リモコンが飛び出るなんてことも起こりにくいです。

その裏側にも余裕が生まれるのもメリットですね。

柱の差は1.5センチですが、その差が持つ「自由度」は理想の家の実現に欠かせないものではないでしょうか。

3.5寸と4寸の柱のメリットをご紹介しましたが、それぞれのメリットを知ると、おのずとデメリットも見えてきますよね。

アトリエプラスでは『4寸』の柱を使う理由

さて、私たちアトリエプラスで使用する柱は、4寸です。

これには先ほどご紹介したメリット以外にも理由があるのです。

その前に知って頂きたいことがあります。 それは「木造建築の在来工法の仕口、継ぎ手」です。 木造建築の在来工法は、柱や梁、そして筋交いを組み合わせて作る工法です。 これらの部材で基本的な構造部分を組み立て、その上に屋根を張り、壁を組み立てて家を造ります。 その工法で家を建てる際、木材と木材を組み合わせていきます。 木造住宅の木材の長さは決まっていますが、それ以上の長さにしたいときなどは、木材と木材を加工して繋いでいきます。 その接合部分のことを「仕口(しぐち)・継ぎ手(つぎて)」といいます。 仕口は、2本の材木を直角、または角度をもって組み合わせることをいい

継ぎ手は、2本の材木をつなぎ合わせて長い柱を作ることを言います。 仕口や継ぎ手の種類は、とても多く数十種類もあります。 複雑なものは芸術的で見事なかみ合わせになるんです。 それぞれに蟻掛けや蟻落とし、鎌継ぎなど名前が付けられていますが、どの種類もオスとメスが作られ、図のように組み合わせてつなぎ合わせます。

このように、二つを組み合わせる接合部分を作るには、柱や梁を削ることになるのです。それは、4寸であっても3.5寸であっても同じこと。 そうなると、木材の有効断面が減ってしまうのはお分かりでしょう。

有効断面が減ってしまうとどうしても強度が落ちてしまいます。 その有効な部分をより多く残すことができるのは3.5寸よりも太い4寸の柱になるわけです。

また、仕口や継ぎ手以外にも、一部分の重要な柱と梁の接合部分には金物工法も採用しています。 金物工法とは、在来工法の仕口や継手加工を金物に置き換えた工法です。

金物ということで接合部分の耐力が明確で、断面の欠損も少ないことから安定した高強度な構造体にすることができます。また、在来工法で必要とされる羽子板ボルトが不要になるなど、施工性にも優れています。

在来工法の仕口や継ぎ手で発生してしまう断面欠損を防ぐために、より断面欠損を少なくできる金物工法を採用します。 適材適所ですね。

より安全な家づくりをと考えるアトリエプラスが4寸の柱を使う理由、4寸の柱の価値は終わりいただけたかと思います。

さいごに・・

いかがでしたか。 一般的な柱の太さは3.5寸、または4寸と二種類ありますが、その太さにもはやり意味があり、それぞれに良さもあることはお分かりいただけたと思います。 3.5寸でも4寸でも耐震強度は変わらないとご紹介しましたが、初めにお伝えした通り、それは構造計算がきちんとなされているかが重要となります。 その為には、信頼できるハウスメーカーや工務店を選ぶことが一番大切ですね。

アトリエプラスでは、設計当初から耐震等級3をクリアするように構造計算をしながら間取りを作っていきます。そのために構造用面材や外部調査機関での構造計算などを設けているのです。

第三者機関の調査による構造計算は、安全安心を証明してくれる大切な書類となります。世間で言われる構造計算とは簡易的なものも多いですが、アトリエプラスが実施している構造計算は許容応力度計算と呼ばれる詳細な構造計算です。 安心してお任せください。

~木・百年の想い~をテーマに「丈夫で永く住める家」親から子へそして孫へ受け継がれて ゆく住まいを造りつづけることがアトリエプラスの想いです。

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