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断熱が大切な理由とは? 「寒い家」に暮らす健康被害と対策

「冷えは万病のもと」とはよく言いますが、日本の住宅は主に、夏の暑さ対策に力を入れていることが多いのが現状。冬の寒さは、当然のように「我慢するもの」「冬は寒くて当たり前」と無意識のうちに思っている人が多いのではないでしょうか。

ところが、日本の入浴関連の死亡者が年間1万7千人(その内の多くは寒い季節の入浴によるヒートショックが原因)に上ります。

一方で、断熱性能の高い家に暮らすと、健康状態がよくなることもわかってきています。

そこで今回は、「寒い家」に暮らすデメリットと、その対策をご紹介します。

「寒い家」で考えられる健康被害とは?

家が寒いとどのような健康被害の可能性があるか知っていますか? まずは具体的なデメリットをチェックしていきましょう。

入浴時だけではない! 「ヒートショック」の危険性

冬の命に関わる危険として、入浴時などに「ヒートショック」という影響があると聞いたことはありませんか? ヒートショックとは、激しい温度差で急激な血圧の変化が起こり、体に悪影響を及ぼすことをいいます。

その場合、動脈硬化になりやすい持病がある人だと、心筋梗塞や脳梗塞などを起こす可能性があり、命の危険に関わります。

入浴は、家の中での急激な温度差が起こりやすいシーンとして、例にされてきました。例えば、浴室と脱衣スペースの温度差、冷えた体で暑い湯船に入った時の温度差などです。

ですが、断熱性能の低い住宅の場合、実は、暖房の効いたリビングから、冷え切った廊下やトイレに移動しただけでも、ヒートショックは起こり得ます。

欧米の住宅の空調は? 日本は「居室単位」が主流

例えば日本より電気代が安いアメリカでは、大きなエアコン1台で温度を調整した空気を、家の隅々まで送る全館空調システムが主流になっています。

またヨーロッパでも、1台の給湯器で、家中の床暖房やラジエーターにお湯を流し、家全体の空調を管理しています。

一方日本では、家の空気を丸ごと温めたり冷やしたりするのは「省エネではない」と考える人が多く、リビングや寝室、子ども部屋など、それぞれの居室に冷暖房器具を取り付けて、使っていない部屋の空調は、こまめにオンオフをするのが主流です。

そのため、冷暖房器具のある居室と、廊下やトイレ、脱衣スペースなどの温度差が大きくなってしまっているのです。

時間帯での温度差も大きい

さらには、こまめに空調をオンオフすることで、時間帯での温度差も大きくなる傾向にあります。実際、寒さの厳しい時期に、朝、寒くて布団から出られない、という経験をしたことはありませんか? 

就寝前に暖房を切った場合、室内の温度は平均的に10度前後の気温差があるといわれています。また、廊下やトイレが8度前後にまで下がる場合、30度前後ある寝具の中との気温差が、20度以上になることも少なくはありません。

そもそも冬の低温が健康には良くない

ヒートショックは循環器系、血液系に影響が出ますが、11〜2月の寒い時期は呼吸器系、内分泌・代謝系など、さまざまな疾患が原因で亡くなる人が増える時期。気温が下がるだけで、死亡するリスクが高まる病気は多数あるのです。

日本を含む、世界13カ国で調べた研究では、「気温」が死因に関わる症例のうち、大半が低気温によるもの、という結果が出ています。

最近では、住宅内の気温と健康の関係性について、国の先導で研究が進んでおり、温熱環境が健康にも影響を与えていることも分かってきました。

また、住宅の健康安全性を評価するイギリスの機関(HHSRS)では、健康的に過ごせる気温を21度と定めています。ちなみに、人が寒さを感じる温度が、一般的に18度ですが、健康リスクが現れる温度が19度、呼吸器障害や心疾患などの深刻なリスクが現れる温度が16度、高齢者に低体温症が現れる温度が10度と言われています。

「寒さ」は、夏の熱中症と同じように、ガマンするものではなく、積極的に回避すべき、健康被害のリスクだと認識することが大切です。

逆に「温かい家」で暮らすメリットは?

では、逆に家の中が全体的に温かい家で暮らすと、どのような健康的なメリットがあるのでしょうか? 

新築戸建て住宅に転居した家族を対象に調べた結果、転居前と転居後では、より断熱性の高い温かい家に転居した人ほど、気管支喘息や手足の冷え、アレルギー性鼻炎といった体の不調が、改善したという研究結果も発表されています。

具体的なメリット

考えられる具体的なメリットはコチラです。

<身体的なメリット> (1)家の中の温度差が小さくなることで、ヒートショックを防げる (2)室内で動き回ることが増え、運動量が増える (3)厚着をする必要がないので、肌へのストレスが減る (4)いつでも窓を閉めて就寝できるため、音を遮断し熟睡できる

<メンタル的なメリット> (1)どの部屋にいても快適なので、行動範囲が広がり、家族との距離感を適度に保つことができる (2)気温が安定しているので、観葉植物も育てやすく、ストレスの緩和に一役買ってくれる

このように、「温かい家」は、身体的な部分はもちろん、心の健康にも一役買ってくれるのです。

「寒い家」を暖かくする具体的な対策は?

冬に底冷えが厳しい家を「温かい家」にするには、どんな対策が必要かというと、ポイントは2つあります。

1つ目は家の「駆体性能」を上げて、高断熱な住宅にすること。2つ目は空調を「家一軒」で整えることが挙げられます。

「駆体性能」=「断熱性能」を上げる

「温かい家」の大切な条件が「断熱性能」の高さです。なぜなら、いくらエアコンやストーブで空気を快適な温度に温めたり、冷やしたりしても、それが外に漏れてしまっては意味がないからです。

では、具体的にどのような対策をするのか、というと、簡単にいえば、外気に触れる隙間を減らし、高断熱な建材で覆うことで、家全体を魔法瓶のような状態にします。

例えば壁に分厚い断熱材を埋め込み、窓を二重窓にするなどのリフォームをすることで、就寝前に空調を切っても、温度の低下を緩やかにすることが可能です。

<断熱性能を上げる具体策はコチラ!>


https://morinotakumi.com/woodsBlog/?p=17432&preview=true&_thumbnail_id=17433

温度は「家全体」で管理する

居室単位ではなく、廊下やトイレ、脱衣スペースから洗面室まで、家全体の温度を平均化するにはどうすれば良いのか、というと、家の断熱性を高めるのは必須条件ですが、さらに、中央制御の冷暖房器具を取り入れる方法があります。

最近では日本でも、高断熱な住宅が増えるとともに、「全館冷暖房」「全館空調」のシステムを取り入れた住宅が増えつつあるため、空調を一台のシステムに統一するセントラル空調や、輻射パネルを壁や床に取り入れる方法など、少しずつ選択肢も広がっています。

<全館冷暖房を取り入れる具体策はコチラ!> 


https://morinotakumi.com/woodsBlog/?p=17447&preview=true&_thumbnail_id=17448

いかがでしたでしょうか。

一昔前まではガマンする風潮にあった熱中症が、対策が必須だと認識が変わってきたように、これからは「寒さ」もガマンしない住環境を目指してみませんか?

次回からは、断熱性能を上げる具体策や、全館冷暖房・全館空調を取り入れる選択肢をご紹介します! ぜひ参考にしてみてくださいね。

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